2009年12月11日

文章が好き!コミュイベント。第一回目

……すみません、思いっきりチキレ敗北です
先に置き場を確保しておきます
御題は「初雪」 キーワード「つらら」「霜」「水着」で
今書いてる分が仕上がるまで、コミュの他の方の日記は見ませんので
どうぞそれでご勘弁を…っ

(12/15・深夜)
チキレにも程がありますが、何とか完成しましたのでUP。
連れの少女=PMのクローディア(1695)さん//クーちゃん
連れの少年=PMのアルフォンソ(1374)さん//アルくん
後、夜が明けて見直したら修正するかも、です。
おやすみなさい

 日課の月光浴を行うべく、ルチルは今日も一人ふらふらと遺跡内を散策していた。

 本来なら日の光も月の光も射さない遺跡の中だが、

 この島の遺跡は別格で、昼は「偽の」陽光・夜も「偽の」月光が降り注いでくれる。

(偽だろうが何だろうが、要は魔力補給さえ出来れば、ルチルはなんの不満も無い)

 今日はたまたま草原で野営をしていた為、目印になりそうなものは、

 遠くに僅かに見える、木々が鬱蒼と固まった森、くらいだったので、

 何も考えずにそちらに進路を取って、ただただのんびりと歩を進める。 

「今日は、誰にも行き会いませんねー……」

 仲間を起こすのも悪いし、ペットの野兎も置いてきた。

 ・……完全に一人の今は、危ないと言えば危ない。

 野営地をあまり離れず、おとなしく月光浴していれば良かったのだが、

 ただじっとしているのはあまりに退屈なのと、月が綺麗だった。



 どれだけ黙々と歩いただろう。ルチルはふと我に帰った。

「あら……何時の間に、こんな近くに森が…?」

 最初に見た時には、あれほど遠かった森が、今はすぐ近くにある。

 夜露が凍りついたのか、木々の枝は白い霜に覆われるか、氷柱が下がるかしていた。

 それらが、きらきらと月光に輝く様子を目の当たりにし、
 
 ようやく、森の近くまで来た事に気がつけた……らしい。

「半透明」の状態だと身体感覚全般が鈍る為、疲労している自覚がなかった、

 というのが理由だが、それにしても少々歩き過ぎた。

 月の傾きを見ると、随分と時間も経っている。

 いい加減引き返そう、と振り返ると、野営地ははるか遠くに見えた。

 自分の呑気さ加減に、思わず、くす、と笑みが漏れる。

 半透明化している身体にもまだ体温はあるらしく、吐いた息で大気が白く曇った。

「そういえば、ずいぶんと気温が下がったみたいですねー……」

 呟いてもう一度深く息を吸い込み、ふーっ、と吐き出す。

 吐き出した白いもやが月光に淡く輝く様に、さぞかし寒いのだろう、と
 
 見当をつけ、手を擦り合わせる。

 ――残念ながら、肉体の確定している昼の状態と違って、

    身体が半透明化している今のルチルには、寒さはあまり感じられない。

「今はあんまり寒くなくても、朝になったらきっと寒いですね、これ」

 野営地の天幕に戻ったら、もっと分厚い上着を出しておかないといけませんねぇ、

 などと考えつつ、ルチルはようやく踵を返した。

 と。

「…………え、雪ですかっ?!」

 音もなく静かに降り始めた今年最初の雪に、ルチルは声を上げる。

 見上げると、真っ暗な(遺跡の)空から降る雪の白さが目に眩しい。 

 雪は、ルチルの身体に降りると、融ける事無くその場に残った。

 先ほど吐いた息が白く染まったというのに、体温は随分低くなっているらしい。

「身体、冷たくなってるんですね……」

 誰にともなくぽつりとそう呟き、もう一度空を見上げる。

 無音の中、ただただ雪の降り続ける幻想的な光景に、

 ルチルは心奪われて立ち尽くしていた。



「うう、そろそろ感覚が戻って来ましたね…寒いです……っ」

 日も昇りかけた頃になって、ルチルはようやく野営地に辿り着いた。

 幾らか降った雪は、結局積もる事無く融けてしまい、

 昨夜の冷え込みの厳しさを示すのは、辺りの草や岩に張り付いている霜だけだ。 

 連れの二人に見つかる前に着替えを、と自分の簡易天幕に近づくルチルの目の前で

 別の天幕の入り口の垂れ布がばさり、と持ち上がった。

「うわっ?! どうしたの、るっちー!」

「夜中のお散歩から帰ってきたところなんですよ。そんな顔しなくても…」

 天幕から出て来るなり、目を丸くしている連れの少女に、

 ルチルは慌てて何でもない、という顔をしてみせたが、

 頭のてっぺんから爪先までびしょ濡れになっていては、説得力はない。

「え、心配しますよー? なんでるっちーってば、ずぶ濡れなんですか?」

「ええと、その。ちょっと遠出し過ぎました……」

 夜明け近くまで雪の降るのをただぼーっと見ていた、とは、

(余計に心配させそうで)正直に言いにくく、ルチルはわたわたと誤魔化しに掛かる。

「すぐ着替えるから、大丈夫ですよ。それより、あったかいお茶、

 淹れておいて頂けますか?」

「それはいいですけど……この寒いのに、何してたんですか?」

「だから、その。お散歩ですよ」 

 誤魔化すには無理のある台詞を繰り返していると、

 背後から別の声が掛けられた。

「……水着無しで寒中水泳した、という方がまだ説得力があるぞ」
 
 相変わらず突拍子もない奴だ、と、もう一人の連れの少年が、

 天幕から半身を出したところで呆れた顔をしている。

「寒中水泳?! るっちーってば、この寒いのに河で泳いだんですかっ?!」

「お、泳いでないですよっ!」

「判っている、単なる喩えだ。早く着替えないと、本当に風邪を引くぞ」

 少年は淡々とそう言うと、ルチルの天幕を指差した。

 その様子に二人がはっと我に帰る。

 確かに、このまま話していたら、(少なくとも「昼の」実体を持った状態の)

 ルチルは確実に風邪を引くだろう。

「そうですね、急いで着替えてきます」

「私、お茶の葉っぱと小鍋、出してきますー」

 自分のやるべき事をするべく、ルチルと少女は、

 それぞれ自分の天幕へとその姿を消した。

「やれやれ……」

 入れ替わりに、外に出て来た少年が、煮炊き用の火を起こす。

 それほどかからずして戻って来た少女の手で、お茶が沸かされ、

 砂糖をたっぷり溶かし込んだそれを、

 着替えて天幕から出て来たルチルに飲ませる。

 その後は、少女が朝食の用意を始め…

 ……普段とそれほど変わらない、朝食の光景へと繋がっていった。



posted by 若月梨里 at 04:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 偽島イベント参加(三期) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。